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中性的なあの子と僕の話

ブログを書き始める時はタイトルなんて先に書かない方がいいなって、今思った。またどうでもいいようなことばかり書こうかなって思ったんだけど、一人思い出した友達のことを書くよ。

 

 

僕は恵まれているのか周りに色んなタイプの人間がいる。タイプって性格って意味じゃなくて生き方ね。ゲイだったりレズビアンだったりとにかくそういうセクシュアルマイノリティーの人を何人か知っているし、性同一性障害の女の子とか、障がい者とか精神疾患患者だったり、少し違うけど芸能人として画面の中で生きている友達もいる。その友達の名前を出せば「おお!」ってみんな言うぐらい有名な女優だよ、だから言わないけど。とにかくこういう言い方はどうかと思うけれど、バラエティに富んだ友達ばっかりで飽きない。ひどい表現だな、我ながら。

 

その中で性同一性障害の女の子がいるんだけど、2歳年下でまだ高校生でかわいらしい良い子なんだ。顔も性格もかわいいと思うから、つい何度か「かわいいのに…」ってぼそっと言った事あるんだけど、それを言うといつもかわいい顔をふくれっつらにして「それ言うの禁止ね」って言われる。当たり前だ。ごめん、言う気はいつも無いんだよ。本音がついうっかり漏れちゃうほどに君の前では安心しきってるから。

知ってる人は知ってると思うんだけど、ミスiDってあるじゃん。あのミスiD2017に出てる若杉実森さんこと、「み」さんによく似てる。容姿、口調、性格(?)とか諸々。というかミスiD2017にエントリーした人を適当に見てるときに「あれ君もエントリーしたのかい?」って確認したくらいなんだけど、名前と身長が違うし「ぼくじゃない」って言われたから違うんだけどね。

 

その子もFtXだ。FtXがどういうものなのかは自分で調べて。言葉で説明するのが難しいから。その子に性の不一致のことを教えてもらったのはいつだったか忘れたけれど、割とまだ月日は経ってないはず。後々になって「君なら安心して言えると思ったし、そのまま受け止めてくれると信じてたから全然躊躇せずに言えたよ」って言ってくれたから嬉しかった。打ち明けられるまではもちろん一人の女の子として扱っていたし、恋愛感情は抱いてなかったけど、というか普通にお姫様抱っことか良いことがあったらハグするぐらいの距離感だから、なんというかその時は不思議な感じだった。今では女の子としては見てないかな。だからといって男の子でもない。あの子の一人称が「ぼく」だけど、正直中性的でほんと不思議。でも時々女の子らしさが出る瞬間があるんだよ。一回一緒に遊園地に行ったんだけど、お化け屋敷に入るか入らないかで怖がる姿は完全に女の子だった。あと、悩みがある時とかなんか大事なことがある前に安心するために電話かけてくることがよくあるんだけど、その電話を切る時の「ありがとうね、じゃあね、ばいばい」の言い方が乙女すぎて「…!」っていつも悶絶してる。

 

僕はその子の性別関係のことをとやかく言わないんだけど、その子は「別に何でも聞いてくれていいんだよ?エッチなことでもなんでも…」って上目遣いで言うから、くそ、ずるいな…っていつもなる。もう一度言うけど、僕の2歳年下ね。17歳に遊ばれる僕ってどうなんだっていつも心配になる。安心して、エッチなこととか聞かないよ、あいつ処女だし。そういうことじゃないよね。まあ言わなくてもいいことは言わないし、聞かなくてもいいことは聞かないんだ、僕ら。いつからの付き合いなのかとか、電話を何回したとか、どこに一緒に行って何を経験してきたかとかどうでもいい。心の距離だろ、大事なのは。

性のことを打ち明けられてから、一緒の部屋で着替えるはめになったこともあるし、あいつの部屋に泊まったこともあったな。着替える時は一応気を使って見ないようにしてたんだけど、下着だけのまんまで「あれ、服がない」とか言い出してうろうろするから噴き出した。二人分の布団が無いからって最初僕だけ床に寝させられそうになったのも面白かった。別に寝させてくれるならどこでもよかったけど、「かわいそうだし襲われる心配なんてさらさらしてないよ」ってあの子のベッドで二人で寝た。二人で寝るには狭かったな。二人とも寝相が良くてよかったな、それだけだ、朝起きて思ったこと。ちょっとずれるけど、あの「襲う」とか「犯す」とかってどういう感覚の人間がすることなんだ。そんなことをあの時も考えたかな。

 

 

あの子が僕に言った「手先は器用だけど、生き方は不器用だね」の言葉を時々痛いほど鮮明に思い出す。あの子の地元の夏祭りだったかな、祭りが終わって帰る前にまだ雰囲気が味わいたくて、二人して理由もないのに会場の近くの神社の階段でぼーっとしてた。なんだか図星を突かれてさ、笑って焦りをごまかしながら「なにそれ」って言ったのだけは覚えてる。へえ、僕ってやっぱ生き方が不器用なのか…ってね。

ここまでの話、何の話だよって感じだ。どうでもいいということに磨きがかかったから、ある意味上出来でしょ。オチもないし、言いたいことも何もなかった。思い出した友達の顔や言葉から出てくるものをただ書き綴ったらこうなった。向こうにとって僕はどれぐらいの大切さなのか知らないけれど、僕にとってあの子は大事な友達だ。電話で聞いてあげた悩み話も色々ふまえて、これからも守ってあげなくちゃならないなって思う。ただそれだけの決意表明でした。